採用マーケティングを始める方へ、明日から実践すべき3つの施策

「採用マーケティングを母集団形成に活かしたいが何からすべきかわからない」そんなお悩みはありませんか?
本記事では、そんなお悩み持つ方に採用マーケティングの最新動向と明日から実践できる3つの効果的な施策をご紹介します。
目次
・そもそも採用マーケティングとは?
・転職行動の変化により、ますます高まる採用マーケティングの重要性
・採用マーケティングを始める前に、まず「誰に・何を・どうやって」を明確にするべし
・採用マーケティングで成果を上げる鉄則は、最終成果に近いところから改善する
・タレントプールを活用し、マッチ度が高い候補者をキープインタッチ
・施策1:ミスマッチを防ぐためにジョブディスクリプションを磨き込む
・施策2:「集客」ではなく「アトラクト」のためのコンテンツを作る
・施策3:目的に応じたアウトプットのチャンネルを選択
・まとめ
そもそも採用マーケティングとは?
まず最初に、採用マーケティングとはなんなのか、その定義をはっきりさせておきたいと思います。
本記事では「採用マーケティング」の定義を「採用の成果創出のためにマーケティング手法を取り入れる方法論」とします。
代表的な手法としてよく目にするのが、図のように候補者の体験に合わせてファネル型にモデル化をしたものです。
採用マーケティングは、これらの分割されたファネル毎の数値を可視化して歩留まりをあげていこうというコンセプトで使われることが多い手法です。
転職行動の変化により、ますます高まる採用マーケティングの重要性
そもそも採用マーケティングという言葉が生まれた背景には、中途採用が普及し「認知」や「関心」の重要性が高まり、採用においてもマーケティングの手法が必要とされたことがあります。
さらに採用マーケティングの重要性が高まっている背景について掘り下げると2つの採用候補者の変化が挙げられます。
一つは採用候補者の転職行動が常態化・長期化していることです。
イメージしやすくするために職選びを家の購入に例えて考えてみましょう。
昔は一戸建てを買うのが当たり前で、購入するときに一気に調べて一生に一度の買い物をするというのが普通でした。しかし今では賃貸を借りる人が増えてきていて、常により良い場所があれば引越しをするようになりました。
職選びもこれと同様で、以前は就職活動も一生に一度であり、終身雇用が当たり前でした。しかし、現在では職種もどんどん多様化しており、転職を検討している人・すぐに転職するつもりがなくても潜在的に転職を考えている人も、より良い企業がないか常に検討行動をするようになりました。こうした変化が、採用マーケティングに注目が集まっている背景の一つになります。
もう一つの要因は採用候補者の情報収集力の向上です。
現代では、たくさんの情報をウェブで手に入れることができるため、実際に面談で会ったときには、すでに企業の情報収集がある程度完了した状態であることが増えています。
よって、ウェブでわかる情報を候補者の目の触れやすい場所に置き、それをいかに事前に調べてもらえるかがカギになっています。
こうした採用候補者の変化によって、マーケティングの考え方を採用に取り入れることの重要性が高まっているのです。
採用マーケティングを始める前に、まず「誰に・何を・どうやって」を明確にするべし
採用マーケティングで成果を上げるためには、いくつかポイントがあります。
まず採用マーケティングを始めるにあたって、最初に考えるべきことは「誰に・何を・どうやって」ということを明確にすることです。
よくありがちな失敗は、冒頭でご紹介した採用マーケティングのファネルを使った手法をすぐさま取り入れようとすることです。
採用に限らず、マーケティングの経験のある方はこの失敗にぶつかったことが一度はあるのではないでしょうか。
あらゆるマーケティング手法を取り入れる前に、必ず立ち戻るべきなのは、ターゲットを明確にすることです。
まず、「そもそも誰がターゲットなのか」という「誰に」の部分を明確にします。そして、ターゲットの絞り込みをかけたら、次に「ターゲットが求めているものは何なのか」という「何を」の部分を考えます。そして、最後に「それをどのアプローチで伝えるのか」の「どうやって」の部分を決めていきます。
もし、迷子になったなと思ったら最初の「誰に」のターゲットを明確にする部分に立ち戻るということを忘れないようにしてください。これらを明確にして、初めてファネルの活用に着手することができます。
採用マーケティングで成果を上げる鉄則は、最終成果に近いところから改善する
ターゲットが明確になったら、ここからファネルの活用にうつります。
ファネルに分けて考える時の鉄則は、最終成果に近いところから順に改善をすることです。採用のファネルで考えると、内定と内定承諾の間の部分、つまりは内定受諾率をまず改善することがポイントになります。
これもよくある罠で、つい先にチャネルごとの集客数を上げることに着目してしまいがちです。しかし、どんなにこの「認知」部分の母数が増えても、最後の内定から内定承諾をする人が10%しかいなければ、最終成果を改善するには相当量の「認知」部分の集客数を増やさなければならず、「いきなり1000人の応募が必要だ!」のような計算になりかねません。
必ず最終成果に近いところから逆算して順に改善していくというのがポイントです。
内定受諾率を50%から70%にすることができれば、より直接的に成果につなげることができます。
このように、ファネルに分解した後、最終成果から逆算して改善を回すというのが重要なポイントとなります。
タレントプールを活用し、マッチ度が高い候補者をキープインタッチ!
さらに、人材要件が高く待っているだけでは応募してもらえない候補者層への採用マーケティング手法として、タレントプールの活用があります。人材要件の高い職種の候補者は有限なため、中長期的にキープインタッチしていくことが重要です。
特にIT企業だとエンジニアやデザイナーの採用でマッチ度が高い人はかなり希少性が高くなっています。そもそもエンジニアは日本に約100万人程度しかいないとされており、その中で勤務地エリアが一致し現在転職活動中の人に絞ってアプローチしようとする場合、100人いるかいないかという数になります。
そんな貴重な母集団の中でマッチ度が高い候補者に出会うことができたなら、どんな形からでも自社に関わってもらえるように接点をもつべきです。
よって、そういった貴重な候補者と出会えた時には、たとえ出会ったタイミングが転職時期ではなく入社いただけそうにない場合でも、タレントプールに入れて定期的に接触を持てるように管理していくことが重要です。
新しく応募者を探すことも大切ですが、すでに見つけた貴重な候補者を中長期的にアトラクトしていくことも、最終成果につながる重要なポイントです。
施策1:ミスマッチを防ぐにはジョブディスクリプションを磨き込む
ここまで、採用マーケティングで成果を上げるために抑えるべきポイントを紹介してきました。
ここからは、明日からでも実践できる具体的な施策を3つご紹介します。
まず1つ目の施策は、「ジョブディスクリプションの磨き込み」です。
これは「誰に」の部分を明確にする上での具体的な施策になります。
採用担当として結構いいと思ったのに、現場メンバーに面接をしてもらうと、「何かが違いました」と言われてしまったことはありませんか?
こういった「やっぱり何かが違う」と感じる候補者の書類通過があった際に必ずして欲しいのが、ジョブディスクリプションに立ち戻るということです。
求人票を候補者目線で確認した際に、足りない要素や修正が必要な言葉など、徹底的にに求人票を磨き込んでいくことが重要です。
大切なのは、感覚を揃えるだけではなく求人票の言葉に落とし込むことです。
求人票が充実すれば、ミスマッチする候補者からの応募自体を防ぐことができるので全体的な採用の効率も上がります。
よって、求人票の見直しをまず最初に実施することをオススメしています。
下部よりダウンロードできる資料で具体的な求人票の項目について紹介していますので、ぜひ手にとってみてください。
施策2:「集客」ではなく「アトラクト」のためのコンテンツを作る
2つめの施策は、「アトラクトのためのコンテンツ作り」です。これは「何を」の部分にあたります。
多くの人はコンテンツ作りをする際に、たくさんの人に触れるものを作ろうと意識してしまいがちです。
「デザイナー向けの採用資料を作るよりも、全体の会社資料を作った方がいいんじゃないか」だったり、記事も「営業部長の記事書くより代表の記事の方がやっぱりいいんじゃないか」と考えてしまう方は多いのではないでしょうか?しかし、そうすると結果的に誰向けなのかわかりにくい曖昧な記事になってしまうことがあります。
そこで、集客(認知)のためではなく、アトラクト(選考から内定につなげる)のためのコンテンツを作成する方がより効果的です。「誰に」という部分を明確にすることでよりシャープなコンテンツを作成することができるのです。
例えば、会社の紹介資料だけではなく、ジョブディスクリプションごとの採用ピッチ資料などを作成することでより直接的に候補者のアトラクトの材料にすることができます。
参考:HERP-デザイナー向け採用資料/HERP Designers Profile
さらに、アトラクト担当をするメンバーの紹介記事を作成しておくことで、面談の際にもより深く濃い会話に発展させることができるようになります。これらのコンテンツを作りは、より直接的に採用成果につながるので、優先的に作成していきましょう。
参考:HERPというスタートアップに感じた機会|tomi/HERP|note
施策3:目的に応じたチャネルの使い分け
3つめの施策は「目的に応じたチャネルの選択」です。これは、「どうやって」の部分の具体的な話になります。
コンテンツを作成した上でそれをどこに載せるのかというのは、それぞれ相性があります。
よって、コンテンツの内容を考慮した上でアウトプットのチャネルを選ぶ必要があります。
例えば、Wantedlyのストーリーを活用する場合、ある程度興味関心のある候補者が調べていることが多いので、会社の雰囲気を知ってもらう目的のコンテンツと相性がいいと思います。また社員個人に焦点を当てた記事にはnoteなどがオススメです。
このようにアウトプットの形を、それぞれの特性を知った上で選び、使い分けることが大切です。
まとめ
ここまで、採用マーケティングを始める際に抑えるべきポイントと、いますぐにでも実践できる3つの施策をご紹介しました。
まず1つがジョブディスクリプションをしっかりと磨きこみ、その後のミスマッチを防ぐこと。2つ目は、アトラクトに効果的なコンテンツを作成すること。そして3つ目が目的に合わせてアウトプットのチャネル選びをすることです。
これらを実践することで、オンラインでの母集団形成で確実に成果を残せます。
ぜひ明日から採用マーケティングの実践に挑戦してみてください! (了)
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